21人が本棚に入れています
本棚に追加
衝撃が収まった時、ドラゴンと男は上空にいた。
男の1メートル以上はあろう刀身を持つ大剣が、浮遊するドラゴンの眉間に深々と突き刺さり、男はそれに掴まっていたからだ。
「グッ!?ぐははははは!!殺したか!お前が、俺を、殺したのか!?小人よ!!」
ドラゴンは豪快に笑う、最早血は吹き出すほどもなくなっていた。
男は剣の柄に捕まりながら黙っている、俯いている為、表情は伺い知ることはできない。
「いいだろう・・・強き小人、よ・・・ドラゴンスレイヤーとなり・・・欲しいままにするがいい・・・この世の栄光を・・・だがァ!!」
ドラゴンはそう言うと大きく裂けた口を歪ませ言う。
男はそこで気を失い地面に落下し始めた。
「タダではやらぬ・・・ぞ・・・」
そう言ったドラゴンの体が薄くぼやけ光の粒子になる。半分は落下している男に入り込む。
半分は空へ昇っていった。
そこに残るは無数の死体と気絶した男だけ。
自由落下し地面に突き刺さった大剣が、雲の切れ間から覗く太陽光を反射していた。
最初のコメントを投稿しよう!