出会い、そしてエンカウント

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「自分の家潰してるし・・・」 家の中で寝ている状態からそのままドラゴンになったのであれば当然の帰結といえる。 家の周りの木も潰している。 「・・・まぁケガ人がいないようでよかったよ・・・それにしてもどうしてこうなった・・・」 目を閉じて少し考える素振りを取る。 彼女は元来、おおらかというかのんびり屋というか鈍感であった為、自分の身に起きた異常事態も徐々に受け入れ始めていた。 「・・・昨日食べた『アレ』のせいかなぁ」 考える素振りから数秒経って、エルーは『アレ』について独白を始めた。 「いつもみたいに狩りをしてたら獲物が持ってた肉だもんね、常識で考えれば怪しくて食べないよねぇ」 森の外には他の人間が住んでいる町があるにも関わらず幼い頃からこの森で狩りをし、 近くの洞窟にある滝で水を確保するという完全なる自給自足生活を行う彼女にも、一般の常識はあった。 「いやぁ、でもあの肉ものすっごい美味しかったぁ、今まで食べてきた肉の中で一番美味しかったよぉ、結構量あったと思うけど全部食べちゃったし」 途中から感想に変わる。
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