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フワリ……風が舞う。
その風に流されるように後ろを振り返って初めて、すれ違った後だということに気付いた。
「パーマ、かな。」
捉えた後ろ姿。
ゆるいウェーブがかかった栗色の髪。
去りゆく後ろ姿に呟き、同時に視界に入った点滅する信号に焦って踵を返し走り出した。
職場についてすぐ、鏡の前でリップを塗る。
見惚れていて口が開いていたからか、やたらと唇が乾いていた。
「綺麗、だった、な。」
目の奥に焼き付いて離れないグレイの瞳。
最初に知った、あなたの一つ。
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