0章

2/2
前へ
/8ページ
次へ
「うぐ・・・ぁがぁぁあぁあっ!!」 絶叫が木霊する。 それを発した張本人は・・・、俺自身だった。 腹部に走った、経験したことが無い激痛故に、叫ばざるを得なかったのだ。 痛みの発生源を見遣る。 そこには深々と『刃物』・・・『包丁』等の様な普段見かけるような物ではなく、明らかに『武器』としての『刃物』。 そう、簡単に言うとすればそれは『剣』だ。 『剣』と言っても、種類が多種多様に存在することくらいは俺も解ってはいるが、全くもって詳しく無い。 日本刀では無いよな~、反りも厚みも違うしな~、程度のものだ。 それが今、まさに腹部に深々と刺さっている訳だ。 痛みを必死に堪え、何とか顔を上げようと試みる。 と、そこで『剣』が引き抜かれた。 更なる痛みの追加に、俺はその場に崩れ落ちた。 地べたに無様に倒れ伏した俺は、それでも俺を刺した奴を見ようと、苦しみながらも足掻いて頭を持ち上げようとした。 最初に見えた部位は勿論足。 だが、それ以上視線を上げることも出来ずに、俺の視界はブラックアウトした・・・。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加