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「うぐ・・・ぁがぁぁあぁあっ!!」
絶叫が木霊する。
それを発した張本人は・・・、俺自身だった。
腹部に走った、経験したことが無い激痛故に、叫ばざるを得なかったのだ。
痛みの発生源を見遣る。
そこには深々と『刃物』・・・『包丁』等の様な普段見かけるような物ではなく、明らかに『武器』としての『刃物』。
そう、簡単に言うとすればそれは『剣』だ。
『剣』と言っても、種類が多種多様に存在することくらいは俺も解ってはいるが、全くもって詳しく無い。
日本刀では無いよな~、反りも厚みも違うしな~、程度のものだ。
それが今、まさに腹部に深々と刺さっている訳だ。
痛みを必死に堪え、何とか顔を上げようと試みる。
と、そこで『剣』が引き抜かれた。
更なる痛みの追加に、俺はその場に崩れ落ちた。
地べたに無様に倒れ伏した俺は、それでも俺を刺した奴を見ようと、苦しみながらも足掻いて頭を持ち上げようとした。
最初に見えた部位は勿論足。
だが、それ以上視線を上げることも出来ずに、俺の視界はブラックアウトした・・・。
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