悟史くんの秘密

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「なんだ、相手がいんのかよ」 悟史くんの手を引いていた男は 俺を見て怪訝そうに言うと どこかに去って行った。 「肖くん、今 帰り? よく逢うねえ」 悟史くんは 何でもないように言うと 俺に近づいてきた。 いつも 会社では 静かにニコニコしているタイプで 特に目立ってもいないけれど。 なんだろう… この色気は。 「ありがとね」 耳元で囁かれて 身体が ゾクリとする。 「いや、別に」 わざと 冷静に言うと 悟史くんから離れた。
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