初体験

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ホテルに来るのは 初めてでは 無かったが。 男同士で 入るのは 初めてだった。 部屋のドアを閉めると なんだか 一気に正気に戻ってしまい、自業自得に陥った。 悟史くんは ソファに 雪崩れるように寝転ぶと スウスウと寝息をたて始めた。 …あれ?マジで寝ちゃったよ… 「ハハハ…」と自分の笑い声が情けなく響く。 ソファの横に 胡座をかいて座り、上着を脱いで ネクタイをほどいた。 …なんなんだ。この人は… 全然 知らなかった悟史くんの別の顔。 寝顔が 可愛い。 暫く眺めて そっと額から頬に指を滑らせてみる。 なんなんだよ、この気持ちは? ドキドキと胸が鳴る。 きっと 酔ってるせいだ。 朝になったら また何でもない顔で 「おはよう」って言えるよな。 自分に言い聞かせた。
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