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「肖くん、おはよ」
フロアに入った途端 後ろから 声を掛けられた。
「え、あ、おはよう」
いつもと変わらない眠そうな顔で悟史くんが立っていた。
「昨日 ごめんね。なんか 俺 急に眠くなって」
「あ、いや 別に」
「会計も済ませてくれてたんだね」
キョロキョロと周りを見回す。
まあ この会話から二人でホテルに行ったなんて まさかバレやしないだろうけど。
「いや。全然いいよ」
俺は 何でもないように言いながら 席に着き、パソコンを立ち上げる。
悟史くんも 前の席に着いて パソコンを立ち上げている。
昨夜 あの額から頬にかけて 触れた時。
なんだか 解らない不思議な気持ちになった。
パソコンを触る指先に釘付けになる。
あんな風に 優しく触れられたら 俺 どうなってしまうんだろうか。
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