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「それって あれでしょ?ゲイってやつじゃないの?」
二人で 味噌チゲ鍋をつつきながら正紀が言う。
「だよな… 」
俺は 複雑な気持ちで同意する。
「肖ちゃんの会社、ゲイの人いるんだ、へー 会ってみたいなー」
「お前のその無邪気な好奇心が羨ましいよ」
俺は これまでの悟史くんの態度を色々と思い出す。
そういえば 女のコにも人気があるのに 彼女を作ろうとしない。
そういうことだったのか…
「肖ちゃん ちょっと野菜入れるねー」
正紀は 特に驚くこともなく淡々と鍋を食べている。
「なあ 正紀。例えばだよ。俺と チュウとか出来るか?」
正紀は キョトンとして俺を見る。
「チュウ?ベロチュウ?」
「ばっか!そんな具体的じゃなくてさ!」
こっちが恥ずかしくなってくる。
「まあ 出来るでしょ。チュウくらい」
好きだもん、と正紀は 笑う。
まあな、米国では挨拶だしな。
俺の考え過ぎかも…
と鍋に気持ちを戻した。
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