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「もしもし? お前 居留守使うなよー。え?なんだ 珍しいね。うん、判った。じゃあまた」
「カズ 何だって?」
「うん なんか友達が来てるんだって」
「へえ」
正紀が 少し寂しそうに見える。
もう何年も親友なのに 知らないことがあるのは 寂しいのかもしれない。
「正紀の知らない奴?」
「うん。なんか会社の人みたい」
「ふうん」
さっきまでの勢いが急に静かになる。
正紀でも こんな時 あるんだな。
少しずつまわった焼酎で いい気分になりつつ、正紀の顔を見た。
「お前って イケメンだよなー」
「何だよー 肖ちゃん 急に」
正紀は 笑い出す。
「いや、男同士って どうかと思ったけどさ。確かに 綺麗な顔の男なら アリだなと思ってさ」
「あーさっきのゲイの人?綺麗な顔?」
悟史くんの顔を思い出す。確かに綺麗な顔をしているし、華奢で手が凄く綺麗で… って あれ?俺 スゲー好みなんじゃ…
不安な気持ちになる。
まさかと思うけど…
グツグツと煮える鍋を食べて 気持ちを誤魔化した。
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