プロローグ

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そんな俺の願いをよそに、兄は高校を出たあたりから徐々に俺を再び構い始めた。 それは年々悪化していっている。 何故なんだろう。 ふとそんな事を考えたりしながら必死に逃げている間に、俺は高校生になった。 兄と同じ制服に身を包み、ちょっと嬉しくなりながらも、避ける生活を続けた。 中学より遥かに過ごしやすくなって、 兄以外とも、両親ともそういえば最近あんまり顔を合わせてないなと、そう気が付いたのは、 少し、遅すぎた。 人間なんて、あっという間に居なくなる。 知っていたはずなのに、考えた事もなかった。
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