その物体は……

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ヒメナ「イサ、500P突破記念ということで、ヒメナさんがご馳走を用意しましたヨ」 イサ「へえ、どれどれ……。ヒメナ、この瓶詰めにされているのは、どう見ても虫にしか見えないんだが?」 ヒメナ「そうデスよ?油で揚げるとパリパリッとして美味しいんデス」 イサ「……瓶詰めの隣の、ピクピク動いているこぶし大程の紫色の物体はなんだ?」 ヒメナ「果物デスヨ」 イサ「果物が動くのか!?」 ヒメナ「中に甘い炭酸水が詰まってるんデス。ただ、穴を空けたらそこから一気に中味を飲み干さないと、赤い液体が辺り一面に飛び散って悲惨なことになりマス」 イサ「……最後のこれはキノコ、だよな?」 ヒメナ「ハイ。そうデス」 イサ「これは、食用なのか?……黄色地に紫の斑点の笠って、どう見ても毒キノコにしか見えないんだが」 ヒメナ「一度食べたら、あのマッタリ感がクセになりますヨ」 イサ「そうか。毒のあるキノコに擬態しているだけなのか。それならいいんだ」 ヒメナ「ただし!」 イサ「なんだ?」 ヒメナ「このキノコを食べると、一週間ほど全身に紫色の発疹ができマス!」 イサ「思いっきり毒キノコじゃないか!」 ヒメナ「大丈夫デス。発疹ができるだけで、体に異常はアリマセン!」 イサ「発疹ができる時点ですでに異常だろうが!――もういい。ヒメナが用意した物はすべて没収だ!!」 ヒメナ「そんな!?せっかくヒメナさんが用意したのに!」 イサ「文句があるなら、もっとマシな物を持って来い!!少なくとも今度は食える物をな!」 ヒメナ「うぅ。……チッ、イサのグルメ舌め」 イサ「何か言ったか?」 ヒメナ「いえ、何も言ってませんヨ!そ、それじゃあ、ヒメナさんはパンでも焼いて来ますネ」 イサ「…………逃げたな」 (完)
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