A preface

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たまたま部活に来る俺と、来ない高木にはなんの大差もないと思った。 ただ罪悪感が俺にあるだけで。 自然と口が動いて言い訳をしようとしているのがわかった。でも嘘は吐きたくなくて、結局黙った。 「どした?樹」 黙った俺を変に思ったのか、こちらを向いて圭介が尋ねてくる。 「…なんでもないよ、そうだ、それよりさ…」 俺はちょっと苦笑いして、それからちょっと無理矢理話を変えた。 そのあとはその話題には触れることなく圭介と別れたけど、俺の頭からは圭介のあの一言が離れなくて お風呂に入ったときも、寝るときもずっと頭の隅に居座り続けた。
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