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「それに、佳奈美たん、可愛い・・・」
・・・・・
「クロタケさん、父さんを掃き捨てて!」
「消えろ!」
ちこの言葉に合わせて、ホウキの黒い竹箒がうなる。
拓郎は数メートル吹っ飛んで石畳の上を転がったが、すぐに立ち上がり、
「ホウキさん、君の黒竹箒では私の想いを掃き祓うことなどできない!」
堂々と言い放つ拓郎。
そう、拓郎は堂々と言い放つ。
「私のこの想いは『変態』などという邪心ではなく、正真正銘の『愛』だからだ!」
「だったらせめて『佳奈美さん』にして!『さん』に!」
「男より仕事を取りそうな女に常に運命を感じてしまうお前は、変態ではなく病気だと思うぞ」
「気持ちわりぃーんだよ!」
ちこは怒鳴り、アフグは呆れ、ホウキはもう一発掃き飛ばした。
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