42人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
アフグとホウキはいつの間にか小学校三、四年生ぐらいの子どもたちに囲まれており、
「おい、ホウキ!ねてないで遊べ!」
「暑いからどっか行け」
とか、
「アフグさん、私たちもあおいでよ」
「風邪ひいちゃうから、だーめ」
などと、楽しげにおしゃべりしている。
透はその光景に少々ひるみ、お話は後日にして今日はもう帰ろうかと顔をそらそうとした時、
「君、俺に何か用?」
「お、昨日のガキんちょ」
「ガキじゃなくて、透だよ!」
アフグとホウキに見つかったうえ、ホウキの言葉にしっかり言い返していた。
小学生たちがいきなり現れた透という存在をボーとした眼差しで見つめてくる。
「透君ね。始めて見るけど、こっちに引っ越してきたばっかかな?」
「まぁ、一昨日越してきたばっかだけど」
優雅で優しげな笑みと雰囲気を放つアフグに、透はしり込みし、言葉がしりすぼみになる。
「それで、俺に何か用があるみたいだけど」
「用っていうか、ちょっとこの神社のこととか知りたいな、って思って・・」
「なら、そんなところに立ってないでこっちに座りなよ。ほら、お前ら、お兄さんに道を開けろ」
未だに無垢な瞳で透を見つめている小学生たちを、アフグはたたんだ扇子でちょいちょい押して動かす。
透が少し気まずい思いをしながら、小学生たちの間を通って行こうとした時に、
最初のコメントを投稿しよう!