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「何すんだよ!別におっベフ・・・」
カシャ、カシャ
まだ立っていた方のチャラ男が何か言おうとしたが、言い終わる前にホウキの竹箒に掃き飛ばされた。
しかし、透はそんないつものホウキの様子には気にも留めず、かすかに聞こえたシャッター音の元を探す。
透のすぐ傍、鳥居の柱の陰にそれはいた。
一人の男が一眼レフのカメラをホウキ達の方に向けてシャッターを切っている。
「お前、何撮ってんだ?」
透がそう声をかけると、男はびくりと体を震わせて慌ててこちらを振り向いた。
透とアフグの姿に一瞬気まずげな表情を見せるも、
「うるせぇな、てめぇらには関係ねぇだろ」
強気な態度にでて、透をアフグの方に突き飛ばして石段を駆け下りていく。が、
「うぉっ・・・たぁー」
石段を一つ踏み外して尻もちをつき、腰をさすりながらへっぴり腰で去って行った。
「あれは痛そうだな」
突き飛ばされた透をしっかりと受け止めたアフグは哀れな目でカメラを持った男を見送る。
透とアフグが石段を全部上りきって鳥居をくぐる頃、
「迷惑かけてすみませんっした!」
「本当、俺たちバカですみません」
チャラ男二人が改心してぺこぺこホウキとちこたちに頭を下げて謝り、
「お騒がせしましたっ!」
なんて、横をすれ違った透たちにも声をかけて去っていく。
これが黒竹箒の力。
「やっぱり黒竹箒はすごいなぁ」
アフグが感嘆をもらすと同時にホウキが透たちに気づいて、つかつか寄ってきて、
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