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「ひょひょ!いやなに、美人妻を娶った黒髪の青年から君を推薦されての、ちょっとしたテストじゃよ。」
「黒髪……ムノ、か?」
「ほう、あの若いのはムノと言うのか!覚えておこう。」
「で、あんたら……いや、貴方方はどちら様で?」
レオは本能的に、彼等が自分達よりも上の人間だと察知し、言葉遣いを和らげる。
「儂はフォルゴ=オイスト、皆からはドン・オイストと呼ばれておる。
で、こっちはラッツェ=フォドム。
ウチの若頭じゃよ、面構えこそアレじゃが趣味が園芸の可愛い奴よ。」
「ちょっ!ドン何故ここで突然の暴露!?」
ちょっとしたコントをしている老人フォルゴと大男ラッツェをよそに、当のレオはというと、
「…………。」
「兄ちゃん?兄ちゃん!?」
立ったまま気絶していた。
「兄ちゃぁん!起きてー!!……ティナパンチ!!」
ポコッ!!
「はっ!」
ようやく現実に復帰したレオ。
「あ、ああああ、あの、」
「じゃから新芽を踏んだのは済まんと言うとろうに!!」
「いーえ、あればっかりは許しません!折角四世代かけて作り上げた三色スイセンを事もあろうに踏みつけて引っこ抜くなど……!!」
「あんな道ギリギリに植えられてても気づかんわい!!」
「あ、あのぉ!!」
「むぉ、済まん済まん。
で、どうじゃ?ムノ君には断られてしまったがのう。
君はどうじゃ、ウチに入らんかね?君程ならば……そうじゃな、ラッツェのとこくらいなら便宜を計れるぞ?」
それ即ち若頭の部下、と言う事だろう。
それに対してのレオの返事は、
「ぜ、是非!よろしくお願いします!!」
そしてレオはオイスト・ファミリーに入った。
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