山月海舟

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魔界世界混沌組合マスターズホール第343014転送ゲート。 そこにムノ達が現れた。 「ここが魔界……。」 ムノはあたりを見渡すが、想像していたような禍々しさなど微塵もなく、少し薄暗いのみで床には真っ赤な絨毯、壁は大理石で漆黒の柱が幾つも立ち、窓にはステンドグラスが張られていた。 「まぁ、素敵な場所ね!」 「そうだな。」 ムノ達が辺りを見ていると、 「お待ちしておりましたムノ様。」 「ん?」 声のした方を見てみると、そこには真っ黒な燕尾服を着た真っ赤なシルクハットの白髪の長身の男が恭しく一礼していた。 だが何故か顔は道化の仮面で覆われておりその顔ははっきりとしない。 「ワタクシ、この度ムノ様のダンジョン担当となりました【アゼル=マッドハット】と申します。 アゼル、とお呼びください。」 「む、分かった。 よろしく頼むアゼル。」 「ではまずは登録室へ、ムノ様には御自身のダンジョンを組合に【登録】して頂きたいので。」 「登録?」 「はい、一応全ダンジョンの存在のみは最初から登録されているのですが、御自身のダンジョンの詳細を登録することによって様々な事ができるようになります。 例えば他のダンジョン同士のバーサスの観戦などですね。 中には登録せず、御自身のダンジョンに篭るお方もおられるようですが。」 「へぇー。」 感心したような様子のムノ。 「分かった、じゃあ早速登録しよう。」 「ありがとうございます、ではこちらへ。」 二人と二体はアゼルの後を歩いて行ったのだった。
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