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「そうか。」
水晶に手を触れるムノ。
【認証中………認証、【無敵艦隊】マスタームノ様を世界混沌組合データベースへ登録。】
ムノが触れた水晶は一度淡く輝くと、またすぐにその光を消した。
「えーと、終わり?」
「ええ、これにて終わりに御座います。」
随分とあっさり終わったものだが、余計な手続きを幾つもするよりかはマシか、と考えたムノは登録室から出て待たせていたミラ達に合流する。
「終わったの?」
「あぁ、思ったよりも簡単だった。」
「それではムノ様、お呼び頂ければいつでも参上致します。」
そう一礼すると、アゼルはフッと消えてしまった。
「じゃあ適当に見て行こうか。」
「えぇ、私向こうにお店を見つけたの、行って見ましょ。」
「凄いわ!見て見てムノ!!」
子供のようにはしゃぐミラの指差す先にはムノの小指程しかない小人が慌ただしく動きながら大きなケーキを作っていた。
「…………。」
幽獄騎士はというと、ただ無言で手芸店の反物をじっと見つめ続けている。
店員の耳が尖っているからエルフであろう女性がそろそろ泣きそうになっている。
金剛阿修羅は何も言うことなくムノの背後に佇んでいる。
この特異な一団に近づく者がいた。
「やぁ、君が無敵艦隊のマス」
ジャギッ!!
「ひぃっ!?」
ムノに話しかけようとしていた下級悪魔の首、胴、心臓の位置に二本ずつ、正確に金剛阿修羅が槍を突きつけていた。
金剛阿修羅に会話機能は無い、だがその槍が語っていた。
何時でも殺せるぞ、と。
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