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「な、何なんだこれはぁ!!」
ディンゴの樹海塔最上階二十階。
そこの玉座で狼男ことワーウルフのディンゴは歯噛みしていた。
ディンゴは同盟【フォレストウルフ】の代表であった。
それ故に部下のモンスターも加えた五千ものモンスター軍団を用意した。
これほどの数を実現できるのはヘドヌスの迷宮などの数に特化したダンジョンか、伝説級のダンジョンのみ、つい最近できたばかりの新人ダンジョンなどこれですぐに崩壊する。
と、思っていた。
だが結果は違った。
無敵艦隊はディンゴをあざ笑うかのように四万近くもの軍勢を用意したのだ。
しかもグレートホーン・レグルスが録に役に立つこともなく全滅した。
「だが奴らが進むのもここまでだ。」
ディンゴにはまだ二枚の【切り札】があった。
相手のダンジョンもそろそろ半分は攻略した頃だろう。
駄目押しに【切り札】を一体追加し、十五階にもう一枚の【切り札】を追加する。
「この戦いを終わらせて、さっさとあの女で楽しみてぇなぁ!」
高笑うディンゴを止める者はいない、だが滅ぼす者達は段々と登ってきていたのだった。
「あら、何か来たわよムノ。」
「んー?」
ユグドラシル操縦ルーム。
ムノ、ミラ、幽獄騎士の三人でババ抜きをしていた三人はアルフヘイムへ送られて来た新たな侵入者を見ていた。
それは灼煌陽熱苔の洗礼を物ともせず、警備用のベグを弾き飛ばしながら進んでいた。
その姿は長く細い、緑色の蛇。
ディンゴの樹海塔原産オリジナルモンスター【サーペント・マングローブ】、体内の水分を凝結、気化させ鎧のように纏って熱から己を守る蛇だ。
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