8321人が本棚に入れています
本棚に追加
宙に立つミラは眼下に浮かぶ二人の少女を見た。
二人とも真っ黒なローブととんがり帽子、そして箒に跨るという【いかにも】な姿だった。
「あ、あんた誰よ!!」
その片割れ、赤毛を真っ直ぐ伸ばした少女が警戒を滲ませながらミラに問いかける。
「メーニャ~、もう少しぃ、やさぁしく言えないんですかぁ?」
「煩いニミア!!」
金髪を肩で切った少女が赤毛の少女をメーニャと呼び、そのメーニャが金髪の少女をニミアと呼んだことで二人の名前を把握するミラ。
「漫才は終わりかしら?」
「漫才のぉ、つもりはぁ、ないんですけどぉ。
差し支えなければぁ、お名前を教えていただけますかぁ?」
「ミラ=レガス、貴女達と同じ魔女よ。」
そう言った瞬間、
「なぁんだ!そうだったの!今まで大変だったわね、でももう大丈夫!ウィッチィードはどんな魔女も拒まないわ!!」
いきなりフレンドリーになったメーニャに唖然とするミラ。
そのせいでメーニャに腕を掴まれたことに反応できなかった。
「ニミア!」
「バッチリですよぉ。」
「じゃあ行きましょう!ウィッチィードへ!!」
「えちょ、待っ」
次の瞬間、ミラを含めた三人の姿は忽然と消えていた。
「いきなりミラの反応が消えたぞオイ。
……まぁミラに限って万一は無いだろうけどあるかもしれないから万一だしな。
ユグドラシル、転移追跡ののち、該当座標へ直進!!」
最初のコメントを投稿しよう!