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「──────♪」
鼻唄を歌いながら街を散策するミラ。
「──♪……あら。」
と、ミラは何かに気づいたかのように空を見上げる。
そこには真っ黒な飛行機雲。
「ムノ!来てくれたのね。」
正直今すぐにでもムノの許へ行きたいミラだが、そんな彼女を囲むように鎧を纏った魔女達が。
「メーニャ、彼女か?」
「は、はい!」
ミラの視界の隅にメーニャに話しかけるリーダーらしき黒髪の女性が映る。
その女性はミラの前に出ると、
「失礼だがそこの貴女、我々と同行してもらおうか。」
「あら、それは私が同行するに足る理由があるのかしら?」
「この国の代表が貴女と話したい、と言っておられる。」
先程メーニャ達に魔術を見せたのがいけなかったらしい。
正直面倒な事この上ないが、その時ミラはこう考えていた。
(囚われのお姫様を助ける白馬の王子様……!)
「いいわ、ついて行ってあげる。」
「物分りが良くて幸いだ。」
ミラは魔女達と共に白亜の塔へと飛んだのだった。
ミラの顔はムノが救いにくる事を考えてふにゃけきっていた。
ウィッチィード外縁の人気のない廃墟にムノは降り立っていた。
いや、この表現では間違いがある。
「いてて……着地も練習した方がいいな。」
彼は墜落していた。
何故なら彼は急停止しかした事が無いから。
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