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とりあえず本を読む。
「何々……ダンジョンキットバージョン37563?」
随分と最新型のようで。
「おめでとうございます、今日からあなたもダンジョンマスター!
手軽にダンジョン作って気軽に侵入者をぶち殺しましょう!」
読むの疲れたので黙読。
「はは、」
読み終えたムノの顔には狂喜の笑みが浮かんでいた。
「あははははははははははは!!」
本には強制的にダンジョンを作る気を起こさせる術がしかけられていたが今のムノには効果はない。
ただ純粋にムノは笑っていた。
「旗艦ユグドラシルとその随伴艦、そしてダンジョン!!
これらがあれば世界なんか思い通りじゃないか!!」
だがムノは支配者になる気などさらさらない。
何故なら彼は復讐者だから。
「良い、良い!凄く良い、これなら愉しく奴等を殺せる。
谷に落ちるよりも惨たらしい死を与えられる!!」
復讐した後など考えてない、そんなものはその時に決めれば良い。
ただムノは復讐の方法のみに思いを馳せていた。
「まずは場所を探さねーと。」
取扱説明書と漆黒の水晶、【ダンジョンの種】を持ったムノは全長二十五キロメートルに渡る旗艦ユグドラシルの内部を歩いていた。
「種なんだし農業区画?いや、そこに植えると食糧が作れなくてマジでヒカリゴケが主食確定するからダメだ。」
廊下の壁に埋め込まれていたマップディスプレイを操作してちょうどいい場所を探す。
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