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「あら、もしかしてラスボス?」
そんなことを呟いている間に鎧の魔女達に包囲されたミラ。
「この者、如何が致しましょうか?」
「捕らえて牢にいれてしまいなふぁい!!」
「あらピーンチ。」
そうは言うものの、ミラから焦りは全く感じられない。
「来てもらおうか。」
「あら、忙しいわね。」
「ふざけるな!!」
軽口のつまりだったが鎧の魔女のリーダーの堪忍袋の尾を切ってしまったようだ。
彼女の刃が雷を纏い、ミラに振り下ろされる。
「【Danza de la serpiente de relampago(踊り狂う雷大蛇)】。」
だが鎧の魔女の刃はミラに届くことなく、部屋全体にとぐろを巻く雷の大蛇に弾き飛ばされた。
「履き違えてはいけないわ、貴女達は私を連行するのではなく、私が貴女達に案内をさせるのよ。」
大蛇を従えた魔境の魔女は楽しげに微笑んだ。
とりあえず爆睡しているトルスを軽く殴ってからどう侵入するかを考えるムノ。
トルスの様子からして普通に乗り込んでは少し面倒そうだ。
「今俺の周りにあるのは爆睡する大男と六人の魔女の死体、さてどうしようか……。」
一瞬トルスを餌に魔女を引きつける作戦が思い浮かんだが一応トルスも恋人を取り戻すために頑張った訳だし起きている時ならともかく寝ているトルスを囮にするのは少し気が引けた。
「こんなことならユグドラシルから降りる地点をちゃんとしておく………………そうだ。」
その時、ムノの顔にはとてもとても愉快な笑みが浮かんでいた。
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