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その言葉にミラの眼差しが三割増しでなまぬるぅ~くなる。
「な、何なんですかその目はー!」
「いーえ?何でもなくてよ?」
「明らかに公園で遊ぶ子供を見つめる眼差しじゃないですかー!!」
「ふふふ。」
と、牢が大きく揺れる。
それも尋常ではない規模でだ。
割と新しい牢の格子が軋み、床が悲鳴を上げる。
天井から石の欠片が落ちてくる。
「うひゃあ!地震です!な、何かの下に!!」
慌てふためいて布団の中に飛び込むフェナを見ながらも、ミラは欠片も慌ててはいなかった。
何故ならこれは夫の仕業だと直感的に理解していたから。
しばらくして、振動は収まった。
「……終わった、のです」
丁度このタイミングで対消滅爆発が起きた。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
「ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
悲鳴をあげてパニックになるフェナ、意味もなく牢の中を走り回っていたが壁に頭を打ち付けて大人しくなった。
「早く来ないかしら……。」
この地下で起きているのは愛する夫を待ち焦がれるミラのみとなった。
ムノは今、瓦礫すら残らず上の階層が消えた白亜の塔の根元に来ていた。
「下、か。」
ムノには最近気づいたことがある。
ギュィィィィィィィィィイィィィィィィィィィィィィィィイン!!!
ニーズヘッグにした時、手首がドリルのように回ることに。
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