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だが蝋燭と香を使った催眠魔法は効かなかった、ならば実力行使しかあるまい。
地下空間では魔法は無効化される。
その被害から逃れるには一部の者のみが持つ中和の腕輪がなければならない。
即ち、地下空間ではリリーに絶対的優位があるのだ。
それに折られた歯の礼もしなくてはならないだろう。
これから地下で行うことを考え口元を歪めていたその時、
神の槍はウィッチィードを貫いた。
その振動にバランスを崩し階段の手すりに顔面を強打するリリー、再び折れる歯、ついでに鼻も曲がった。
「ふぐぉぉぉぉぉお?!?!?」
のたうつリリーに追い打ちをかけるように対消滅爆発、その揺れで階段から転げ落ちたリリー。
既に彼女の歯は奥歯と右上の犬歯しか残っていなかった。
場所は変わって地下牢。
「あら。」
何かに気づいたようにミラは天井を見上げる。
次の瞬間、天井をぶち抜いてムノともう一人大男が現れた。
「ムノ!」
「待たせたな。」
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