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「お、こことか中々広いな。
何々……【夜伽部屋】……こ、ここはとっておこう。」
再び検索。
「……む、こことかいいんじゃないか?」
マップに映るその部屋の場所は……【第八資料室】。
「っはー……広っ。」
歩くこと十分、途中で転移装置の存在に気づいて凹むこと五分、ようやく第八資料室に到着した。
「下手したらそこいらの貴族の屋敷並みに広いな。」
それでもって第八なのだからつくづく旗艦ユグドラシルの大きさが伺える。
「うん、いらない資料を破棄して、それでも余ったものを第一~第七資料室へ送る、そして棚を破棄して……」
二十分後にはだだっ広い空間が広がるだけとなった。
「………よし、やるぞ。」
部屋の中央に立ったムノは床に貫手で穴を開け、そこにダンジョンの種を埋める。
「えー、【ダンジョン発芽】!!」
ムノがダンジョンの種を起動させるキーワードを口にした瞬間、
ぴょこんっ!
真っ黒な双葉が種から発芽した。
それと同時に左眼に激痛が走り、脳内にユグドラシルからメッセージが送られてくる。
【緊急事態、不明なユニットがユグドラシルに侵入、接続されました。
直ちにウイルスバスティングを実行し】
ここでダンジョンの芽を破壊されてはたまらないので艦長権限でユグドラシルに介入する。
【こちら艦長ムノ、不明なユニットを正式に認証し、受諾せよ。
コードネームは【ダンジョンメイク】。】
【…………艦長命令を受諾、不明なユニット改めダンジョンメイクを許容、魔術的リンクを確立し、情報を全艦に送信、同期開始。】
上手くいった。
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