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ムノは大男を床に叩きつけてそれをクッション代わりにして着地。
「来てくれると信じてたわ。」
「勿論、何処にいようが必ず迎えに行くさ。」
「ムノ……。」
「ミラ……。」
このどんな健康体でも一撃で糖尿病になるような空気は十分ほど続いたのだった。
「で、そこの画期的クッションはなぁに?」
「道中で拾った。」
不思議なことに最初会った時は致命傷だったような気がするのだが、今見てみるとほぼ傷が消えていたのだった。
ムノ自身、傷ついても自動回復するので大して気にしていなかったが、よくよく考えてみればおかしいのではないだろうか。
少なくともトルスの脇腹には風穴が空いていたはずだ。
「あら。」
と、ここでミラが未だに爆睡しているトルスを見て興味の声を出す。
「どうした?」
「いえね?この人身体中に色んな魔法が刻まれてるのよ。
これは……細胞活性?こっちは超速再生、こっちは時間遅滞ね。
彼にこの魔法を刻んだ者は彼を不老不死にでもしたいのかしら。
…………不老不死?」
と、ミラは向かいの牢で気絶している合法幼女を見る。
先ほど彼女はこう言ってなかっただろうか?
「恋人を不老不死にさせようとしてこんな体になった。」と。
「あぁ……。」
「何か知ってるのか?」
「むしろそっちの彼女の方が詳しいと思うわ。」
指差した先には未だに目を回す合法幼女。
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