魔女の国

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「しかし邪魔な檻だな。」 ムノは右手を二閃、それだけで格子は容易くただの鉄の棒に成り果てた。 「さ、行こうか。」 「その前に彼の事について聞きましょうよ。」 「いつもの癖か……分かった、俺はこいつを起こすからミラはそっちの幼女を頼む。」 ムノはトルスを持ち上げると…… 「起きろー。」 びびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびびび!!! 残像で右手が二本に増えたかと錯覚するスピードでトルスをビンタした。 「へぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぷぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ!!?」 「起きたか?」 「………あと五分。」 「ニーズヘッグ。」 「起きました!!」 手をギュンギュン言わせるとトルスは慌てて飛び起きた。 「こ、ここは?」 「おい、あの幼女はお前の恋人とやらか?」 ムノの指差した方向にはムノ程の速さでは無いが同じくフェナへビンタするミラ。 「フ、フェナ!!」 「いでゃいでふミラふぁん!!……トルス!!」 ビンタされていたフェナもトルスに気づいたようだ、彼らは牢から飛び出して抱きつく。 「良かった……無事だったんだね。」 「本当に無茶して……!」 桃色の背景が見えるトルスとフェナを見ていたムノとミラはポツリと一言。 「イラっときたな。」 「えぇ。」 人これをブーメランと呼ぶ。 「もういいか?」 五分程してムノが二人の桃色空間に終止符を打ち込む。
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