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中もまぁ予想通りな豪奢な作りだった。
「この魔立魔境魔学園、略称を三魔学園と呼ばれておりますがこの学園は元々とあるお方のダンジョンだったのです。
しかしそのお方がダンジョンを改造し、この学園が設立されました。
ここでは若き魔族の子息達が日夜ダンジョンマスターとなるべく様々な……」
アゼルが懇切丁寧に説明してくれているがだいたい予想はつくので周りを見渡す。
元々ダンジョンという話なので複雑そうな造りにはなっているが、迷うというほどでもない。
そして時々ツノの生えた魔族やデカイ巨人が自分達の側を通過して行く。
ちなみに魔族と魔物の違いだが頭が良くて高い文明を作れるレベルなのが魔族で知能がそれ程よくなく、基本的に本能のままに暴れるのが魔物だ。
ダンジョンの魔物はその例に漏れて完璧に統率されているが。
「……と、話しているうちに到着しましたね。」
アゼルが立ち止まったのでムノも止まる。
そこには両開きの立派な扉が、その上には【二年S組】と書かれた木板が。
「それでは少しお待ちください。」
そうムノに言ったアゼルは扉の中へ入って行く。
ムノの聴力では中の会話が筒抜けなので耳を澄ましてみる。
「皆さん、席についてください。
本日は見学実習ですよ。」
「マッドハット先生!それ本当ですか!!」
「えぇ、依頼先の方がご快諾してくださったので。」
「やったりぃぃ!!」
「ゴルズ君、喜んでいるところに水を差すようで申し訳ありませんがテストは後日行いますからね?」
「なぁんてこったぁぁぁ!」
「うるさいわよゴルズ!そのツノへし折るわよ!!」
「あぁん!?テメーこそガタガタうぜーんだよ!羽もいでやろうかぁ?」
「何ですって?これだから野蛮な【鬼族】は!!」
「はン、回りくどい【サキュバス】になんざ言われたかぁねぇな!!」
「こらこら二人とも、外でダンジョンマスター殿がお待ちなのですから静かにしてください。
では入っていただきましょう。」
少しして扉が開き、アゼルが顔を出す。
「では、お願いします。」
「ん、分かった。」
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