特別講師

6/15
前へ
/181ページ
次へ
アゼルが開いた扉の中へと進む。 まず最初に見た感想は小ぶりな魑魅魍魎?(一部例外)だった。 「オイあれ人間じゃね?」 「えー?人間のダンジョンマスターっているの?」 「歴史によれば過去に人間のダンジョンマスターがいた記録はある。」 「あ………!!」 「腹減ったでごわす。」 多種多様な反応が小声で交わされているが大体聞こえてくる。 そして最後の台詞は絶対教室の一番後ろにいる巨人だろう。 腹を押さえているし何よりそんな感じの顔つきだし。 「では、彼らに自己紹介をお願いします。」 アゼルに促されてムノは教壇に立つ。 「えー、ムノ=レガスだ、今日はよろしく。」 「それでは質問の場を設けましょうか。 ただしどこのダンジョンのマスターかは秘密ですよ?」 成る程、どうやら無敵艦隊艦長ということは明かしてはいけないらしい。 と、早速ツノの生えた赤い肌の少年が手を挙げる。 「えー、じゃあ君。」 「ゴルズって言います、単刀直入に聞くんスけどあんたって強いんスかぁ?」 明らかに舐めくさった様子の赤鬼ガキのゴルズ。 ヒュバッ!つぅー…… 「」 「まぁこれくらいなら朝飯前だ。」 ニーズヘッグで軽く頬を切ってやったら面白いように黙り込んだ教室。 それを心の中で愉快に思いながらゴルズの隣で手を挙げていたやけに露出度の高い服を着た少女を指差す。 「ゼルルカです。 レガスさんは種族は何なんですか?」 「種族かぁ……」 人間ではない、少なくとも。 だが今の自分の状態を表すとしたら…… 「改造人間、だな。」 「やっぱ人間なんだ……はン」 なぜか明らかに嘲笑された。 ゼルルカを不愉快カテゴリに入れつつ眼鏡をかけた蛇と人の中間のような少年を指差す。 「スニーフォルと言います。 レガスさんはダンジョンマスターとなって何年経ちますか?」 「一年未満。」 こいつも嘲笑するかな、と思っていたムノだったが予想に反してスニーフォルは大層驚いた様子で目を見開くとなにやらブツブツ言いながら着席した。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8321人が本棚に入れています
本棚に追加