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転送室とやらの内部は魔界に来た時に最初にいる場所をシンプルにしたような感じだった。
「じゃあ、いつものようにワディグ君を真ん中にして全員魔法陣に乗ってください。」
巨人が真ん中に立ったので彼がワディグだろう。
その周りに生徒達がワディグを囲うように並んで行く。
「ではムノ様は彼らを転送したい場所を思い浮かべてください。」
つまり転移先の座標を設定しろ、ということだろう。
ムノはそういえばユグドラシルのトレーニングルームならあの教室よりも広いし丁度いいだろうと思い、そこを思い浮かべる。
「では。」
次の瞬間には、そこに立っていた。
後ろでは生徒達がざわめいているので無事成功したのだろう。
「ようこそ、我がダンジョンへ。」
と、ここでスニーフォルが手を挙げた。
「先生!そろそろレガスさんのダンジョンの名前を教えてください!!
特別講師はダンジョン歴五年以上が基本だったのに一年未満ということは何か特別な事情があるのでしょう!?」
成る程、彼が驚いていたのはその為だったらしい。
「ではムノ様、ネタばらしと行きましょう。」
それを言うのはマスターたる自分の役目らしいと察したムノは声高々に宣言した。
「ようこそ二年S組の諸君!我がダンジョン、無敵艦隊へ!!」
「「「「「「「ええええええええええええええええ!!!?」」」」」」」
凄まじく驚いた様子の生徒達、ただダレイアだけは感動と言った様子でムノを見つめていたが。
「じゃあ艦内を案内しよう。」
と、ここでとある事実に気づいた。
自分やミラ、幽獄騎士達は全く気にしていなかったが彼ら生徒達は大丈夫じゃないのでは、と。
どうしようかと考えていたが、だったら覆ってしまえと言う結論に至り灼煌陽熱苔を上から鏡のような壁で覆って光と熱を遮断する。
そしてムノ達は歩き出した。
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