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と、通路内を歩いているうちにミラの研究室前に着いた。
と、
ガチャ。
「あらムノ、そちらがお客さん?」
扉が開き、朝見た時のバイトにパジャマ姿ではなくいつもの黒いドレスを纏ったミラが優雅な笑みを浮かべて現れた。
その手には一本の見事な黒水晶の杖が握られていた。
杖の先端には白い水晶が嵌め込まれ、内部で真っ黒な炎が燃えていた。
「それが?」
「えぇ……ミラ=レガス作、黄昏の杖よ。
中心には貴方の炎が閉じ込められていてそれによって貴方と比べたら種火と業火程の差があるけど擬似的に黒い炎を出すことができるわ。」
「凄いじゃないか……あ、そうだ。
彼女が俺の妻、ミラ=レガスだ。」
ムノがミラを学園の生徒達に紹介すると、男女問わずため息が漏れた。
「さてミラ、彼らをどこに案内すればいいと思う?」
「そうねぇ……他の随伴艦は魔窟と化してるからユグドラシル内だけにすべきね……あ、そうだ。」
何かを思いついた様子のミラ。
「あそこなんてどう?」
「あそこ?」
シュッシュッ!
「プギィィィィィィ!!」
パァン!ズドン!
「フゴッ!フゴォォォォォ!!」
ズズン……!
「ブルゥゥァァァァァア!!」
そこでは二足歩行の豚達が汗を迸らせながらスパーリングを繰り広げていた。
「ここは……?」
「ここはモスキング達のトレーニングルームだ。」
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