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「プギィィィィィィィォォオァァァァァァアッシュッッ!!!!」
足の指から踵、膝、股間、腰、背骨、肩、肘、手首、指と凄まじいエネルギーが伝わり、全身の筋肉が稼働する。
背筋を捻じ曲げながら上腕二頭筋をしならせて剛腕が吼える。
これこそが頂点の必殺秘技、栄光天昇豚拳(グロリアスポークアッパー)!
顎をクリティカルに撃ち抜かれた頬傷は天井に叩きつけられると、そのまま地面に墜ちた。
「ゴァッ!ゴアッ!ゴォァァァァァァァァァァア!!!」
勝利の雄叫びを上げるマキシマムモス、右拳をアッパーの体勢のまま維持したその姿には、絶対的強者の風格が漂っていた。
「つ、つえぇ……俺には分かる、あの豚はまだ自分が頂点だと思っちゃいねぇ。
だからこそ上を目指してさらに強くなってやがる……」
ゴルズがそう敬意と畏怖を滲ませながら呟く。
と、
「………。」
そこにマキシマムモスが己の力に溺れない原因がやってきた。
スマートな漆黒の鎧に身を包み、業物と呼ぶに相応しい双剣を帯剣した騎士。
実質この無敵艦隊の最終兵器兼家事担当、幽獄騎士である。
「………。」
無音、無言、無気配の三拍子でトレーニングルームへ入ってきた幽獄騎士にムノとミラ、そしてアゼル以外誰も気づいていない。
ちょいちょい。
「うわぁ!?」
突如現れた……ように感じた生徒達を他所に、ムノは幽獄騎士のゼスチャーで無敵艦隊の板を出せ、ということに気づき板を出して見てみる。
【本艦隊に敵影接近、解析の結果【アンデッドドラゴン】と解析。
いかがいたしましょうか?】
「うーん……」
いつもならばユグドラシルに迎撃させて終わりなのだが、どうもまだ一部の生徒達がムノの事を侮っているようなのだ。
凄いのはダンジョンであってムノではない、先程からそんな様子で睨んでくる生徒にムノは気づいていた、というか生徒以外はみんな気づいていた。
自分の足元で蟻が動いていてもどうということはないように、彼らはそんな奴らを無視していただけだが、ここいらで実力差を示すのもいい機会だろう。
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