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「アダマンタイトはこの最奥にあると言われてるから……」
「こっちじゃないか?雲の中心はあっちのようだし。」
ピズオーン湿地帯の雲は中心に行くにつれ、濃く禍々しくなっていく。
ムノの指差した中心は紫を越えて黒にまで変色していた。
並の生物なら死ぬを通り越して溶ける場所においても、魔術強化された二人は意に介することもなく手を繋いで進むのだった。
「ここがピズオーン湿地帯……」
「ここに伝説の聖剣、エクスミラージュが眠っている……」
「それに幻の鉱石もな。」
「幻の鉱石さえあれば我々の武具も大きく強化されるでしょう。」
「みんな、行こう!!」
「いかにも怪しげな洞窟を見つけたな。」
「恐らくここね、瘴気が更に濃くなっているもの。」
二人は遂には岩をも溶かし始め瘴気が固体化する段階まで至った洞窟の前に立っていた。
と、
「ゴバァァァァァ!!!」
真紫に染まったミミズに口をくっつけたようなモンスターが二人の前に立ちふさがる。
「ワームか?」
「恐らくこの場所に適応したワームのようね、名前は知らないけど。」
しかし二人は通常運行、ミリの欠片も慌てた様子は無い。
その二人を食らうべくワーム適応種が口を大きく開いて突っ込む。
スパパパパッ!ボンッ!!
しかし突撃は結実することなくムノにぶつ切りにされ、ミラにウェルダンにされてワーム適応種は塵と消えた。
残ったのは地面からまだ出て来ていない一部のみだ。
「さ、行こうか。」
「えぇ。」
二人は洞窟の内部へと突き進んで行く。
その道を阻む者に死を施しながら。
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