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「……なんだかなぁ。」
ムノは落とされた無間の谷へ落ちている途中、岩壁の亀裂から生えていた木の枝に引っかかっていた。
下を見てみれば底すら見えない奈落。
「チクショウ……なんで俺がこんな目に……!」
ムノの目には涙が浮かんでいた。
謂れのない罪で投獄され、誰も自分の事を信じてくれず、ゴミを捨てるかのように崖から落とされた。
「絶対に生き残ってやる……!!」
そして、自分を裏切った奴等を。
そして己に罪をなすりつけた貴族共に復讐を。
そう心に誓うムノは生き残るべく周りを見渡す。
「とりあえず足場を何とか確保しなければ……!!」
下は駄目だ、まずは木に登る事を最優先にするムノ。
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