無敵艦隊

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瓦礫の山の中、白い光を灯した右腕が地面にあった。 今、光が消えた。 「アハ、綺麗な花火。」 「ミラ。」 ミラが声の主を見ると、そこには世界で一番の愛する存在が。 「ムノ!!」 瓦礫と血飛沫、肉片が散乱する大通りだった場所で血にまみれた二人の男女が口付けを交わす。 「こっちは全部終わった、ユグドラシルに戻って全部終わりにしよう。」 「そう……ムノ、それは?」 ムノの腰には奇妙なものがぶら下がっていた。 「これか?これは俺が処刑される直前に死んでしまった婆ちゃんの形見なんだ。 婆ちゃんだけは最期まで俺を信じてくれてたんだ……。」 「そう……。」 ムノは腰にぶら下がった奇妙な道具を優しく撫でてから、【オーディーン】でユグドラシルに命令を飛ばす。 「戦闘飛翔特務機【トロス】出撃。」 そして二人はユグドラシルへ帰投した。 王城では、この国の王が頭を悩ませていた。 「一体あれは何なのだ!」 臣下に当たり散らすが、そうしたところでどうにもならない事は本人が一番理解していた。 「一時間も満たずに我が国が壊滅したのだぞ!一体どこの国が……!?」 この王城も空飛ぶ鋼の鳥によってボロボロだ。 「陛下!」 と、この国の騎士団長が玉座の間に入ってくる。 「どうした!」 「ゴーレム達が一斉に撤退し出しました!!」 「何……?」 訳がわからない、あれらの目的は一体なんなのだ。 彼らは気づいていなかった、既に破滅がすぐ上に来ている事実を。 「【滅核弾頭】投下。」
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