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ユグドラシルからの報告曰く、ほんの数分前にユグドラシルに対して数秒ほどシグナルが送信されて来たらしい。
内容は文章ではなく地図。
丁度ここからすぐ近くの上空までのルートが示されていた。
「ムノ。」
「あぁ、古代遺産であるユグドラシルと同じシグナルってことは呼んでるのも同じ古代遺産ってことだ。」
国を滅ぼした以外に特に何かしたわけでも無いので敵ではないのでは、とムノは考える。
ミラはムノの手を握ると、
「私は貴方について行く、たとえ地獄でも一緒よ。」
「………………よし。
全艦通達!これより無敵艦隊はシグナルの発信源に向かう!!」
七艦が進路を変え、積乱雲の中に突入した。
積乱雲の中は暴風と雷の支配する世界だった。
「まぁ雷や風なんかじゃあユグドラシルは揺るがないがな。」
「随伴艦は少し揺れてるみたいだけどね。」
暫くして積乱雲を抜ける。
「わぁ……!!」
ミラが外の光景を見て驚嘆の声をあげる。
そこには、純白の雲の海が広がっていた。
人の手が全く加えられない正真正銘大自然の奇跡、高みへと昇る翼を持つ者だけが閲覧を許された光景にムノとミラは暫く無言で外を見ていた。
「綺麗……だな。」
「ええ。」
君の横顔も綺麗だよ、というセリフが脳裏に思い浮かんだムノだがそんな臭い台詞を口にする度胸はない。
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