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と……
「ムノ、あれ見て。」
「あぁ。」
彼等の視線の先にあったのは、雲海を優雅に航行する巨大なピラミッドだった。
シグナルはあそこから送られた。
「ユグドラシルクラスの着艦港がある……。」
近づいて分かったが、このピラミッドは途方もなく大きい。
二十五キロメートルを誇るユグドラシルが小さく見えるのだ。
そしてこのピラミッドは幾つものタイルを組み合わせて出来た大地にピラミッドが建てられているようだ。
下はユグドラシルのブースター部分を何万本も合わせたような形で、スケールも何もかもが無敵艦隊よりも巨大だということが否応無しに理解させられた。
ピピピッ
「!通信だ。」
【ようこそ、新たなる魔境の主よ。
我が居城の頂点で君を待つ。】
「どうやら来いってことらしいぞミラ。」
「待ち伏せ……ではないわね。」
本気で無敵艦隊を墜とすつもりなら無敵艦隊が雲海に出た時点で攻撃するはずだろう。
無敵艦隊だけを手に入れるという事も考えられるが、不思議と敵意を感じない二人だった。
「行ってみる、か。」
「私もついてく。」
本音としてはミラにはユグドラシルに残って欲しいが、そんな事をした日にはユグドラシルを無理矢理操作してピラミッドに突撃しかねないのでだったら共にいる事にする。
それにムノとしても僅かな間とはいえ、ミラと距離が離れるのは嫌だった。
そして二人はユグドラシルを幽獄騎士と金剛阿修羅に任せ、この巨大空中都市へ降り立った。
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