天を臨むダンジョン

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ダンジョンの誕生のことは分かったが、それと何の関係があるのだろうか。 「実は恥ずかしい話、このオリュンポスは急ごしらえだったから常に誰かが操縦しないとすぐに墜落してしまうポンコツでね。 誰がこれを動かすかでクジ引きして僕になったわけさ。 で、僕はオリュンポスと共に雲の上に飛んだわけだ。 下では結局争いが起きてあっさり滅んだらしいけどね。 まぁでも僕も人間だ、いつかは死んでしまうわけだけどその時にふとダンジョンウッドを見て思いついてね。 自分をダンジョンウッドに融合させてみたんだ。」 「「は!?」」 「だから今の僕は元人間の意思のあるダンジョンウッドなんだよ。 おかげで根の張ってある場所なら音も光も味も感知できるけど身体は根の上しか動けないんだ。」 フュードはけらけらと笑いながら二人を見る。 「安心しなよ、君の無敵艦隊は急ごしらえじゃないから特にリスクは無いよ。 にしてもユグドラシルには自立思考AIを積んでみたけど艦長が死んだからってまさか新しく身体を作るとは思わなかったよハハハ。」 ムノとミラは目の前の天才の凄まじさに只々言葉を失っていた。 「時に二人はやはり夫婦なのかい?」 「「はい。」」 「それにしては夫婦を証明する物が無いね………よし、ちょっと待っていてくれ。」 フュードは根っこの中に吸い込まれるようにして消える。 五分後、フュードが何か箱を持って二人の前に根からにゅっ、と現れる。 「その様子じゃあ結婚式とかもやっていないんだろう? どうせならここでやっちゃおう、太陽に一番近い場所でする結婚式とか縁起が良さそうじゃないか。」
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