天を臨むダンジョン

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なんやかんやで結婚式をする流れになった二人。 フュードが何故持っているのか分からないが持ってきた真っ白なタキシードを着たムノは先程まで長テーブルのあった場所をフュードが一瞬で教会に変えた場所で一人立っていた。 「やぁやあお待たせ。」 目の前に神父服を着たフュードが出現する。 「彼女のドレスの着付けはゴーレムにやらせてるよ、そろそろ来るんじゃないかな?」 と、 重厚な扉が一人でに開き、そこを一人の女性が進んで行く。 「」 文字通り言葉を失うムノ。 そこには、純白のウェディングドレスを着たミラが微笑みを浮かべながらゆっくりと歩みを進めていた。 そしてムノの隣に立つ。 「どうかしら?」 「凄く、綺麗だ。」 「!!……ありがと。」 顔を真っ赤にして俯くミラ、そして自分の言ったセリフで赤面するムノ。 それを微笑ましげに見ていたフュードは聖書……ではなく魔道書を開く。 「汝ら、富める時も、貧しき時も共に過ごす事を誓いますか?」 「「誓います。」」 「宜しい、なら二人を死が別つ時まで……」 「「異議あり!」」 「はぇ!?」 突然二人が声をあげたので驚いた様子のフュード。 「フュードさん、そもそも俺達不死身ですけど実はある魔法を互いにかけてるんです。」 そうムノが言うと、二人は舌をフュードに見せる、そこには漆黒の魔方陣が刻まれていた。 「それは……!」 「えぇ、ユグドラシルの資料室にあった魔道書に書いてあった【一心同体】の魔術です。」 ミラがフュードに答える。 【一心同体】の魔術。 それは互いの命をリンクさせる魔術、簡単に言えば片方が死ねばもう片方も同時に死ぬのだ。 この魔術を互いにかけるのにムノもミラも僅かの躊躇いも無かった。 何故ならムノもミラも、愛する人のいない世界に価値などないのだから。 「だから死も俺達を別つことは出来ません。」 それを聞いたフュードは、 「だったら少し台詞を変える必要があるね。」
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