下界狂騒曲

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「ねぇムノ、たまには下に降りてみない?」 昼食に天臨山で貰った様々な植物を使ったサラダを食べている途中にミラがそう提案した。 「下って地上か?」 「えぇ、最近ちゃんとした大地に立ってないなって思って。」 それに、とミラは続ける。 「私達って出会ってすぐに結婚しちゃったでしょ?だから、デートとかしてみたいなって思ったの。」 「デート、か……。」 それもいいかもしれない、確かに王国を消してから地上には降りていないし、一ヶ月も経たずにスピード婚したのだ、デートとかもしてみたい。 無敵艦隊の艦長も、真理求道の魔女も中身はまだ若者なのだ。 ということで二人は久しぶりに地上に降り立っていた。 流石に艦長服とドレスでは悪目立ちするので、ムノは白のワイシャツに焦げ茶色のズボン、頭にはテンガロンハットという出で立ち。 ミラは白のワンピースに青いカーディガン、長髪をポニーテールにまとめた出で立ち。 「ミラはどんな服を着ても似合ってるな。」 「ムノ、貴方も素敵よ?惚れ直しちゃった。」 「おだてても新しいモンスターしか出ないぞ。」 二人は笑い合いながら道を進んで行った。
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