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しかし形だけでも引っ張る所作をしなければ失格にされてしまうかもしれない。
「じゃあ、ちょっとだ」
少し力を込めて引っ張った瞬間、
Aチームの選手が縄に引っ張られて宙を舞った。
「………やべ。」
少し力を入れすぎた。
場は騒然となりつつも、本戦に進んだのだった。
「やっちゃったなぁ……。」
「お疲れ様、ムノ。」
広場の隅で一人反省していると、ミラが飲み物を持ってこちらに来た。
「はいコレ。」
「ありがとう。」
ミラから飲み物を受け取ったムノはそれを一口飲む。
「ふぅ……しかしやりすぎたなぁ。」
「あら、私は貴方の雄姿を見れて良かったわよ?」
真面目にそう言うミラに苦笑いするしかないムノ。
「本戦はトーナメント方式で相手が気絶するまで戦うらしいが……」
「それって腕自慢なの?」
どこからどこまでが腕自慢なのかよく分からない二人だった。
そして本戦に突入、二、三試合消化してついにムノの番となった。
相手は司会の男にも負けずとも劣らぬ筋肉漢。
「そぉぉれではぁぁあ!バトルぅスッタァァァァァトォ!!!」
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