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「うおおおおおおおおお!!」
真正面から突進して来る対戦相手。
「………腕自慢、だしな。」
ムノはそれを……
正面から受け止める。
「よいしょっ。」
そして片手で軽々と体重90キロはありそうな対戦相手を持ち上げ……
「ぶっとべ。」
優しく放り投げた。
ムノの手から離れた男は砲弾の如く飛んで行き、今まさにミラに話しかけようとしていた貴族然とした男を巻き込んで壁にめり込んだ。
「わー、偶然にも投げた方向に人がいたぞー。」
棒読みで一応言い訳するムノ、何はともあれ次に進出。
次の対戦相手もまた、筋肉漢だった。
「バトルぅスッタァァァァァトォ!!!」
「ぬぅぅん!!」
今度の対戦相手は愚直に突っ込んでくることもなく、観客席からベンチを二つ持って来るとそれをムノに投げた。
「道具ありなのか!?」
「この場にあるものなら何でもありだぜぇぇぇぇえ!!」
そういう事は先に言って欲しいと思ったムノだが、自分が聞き流していた中で説明していたのかもしれないと思い直し、ベンチを受け止めたムノはそれを投げ返す。
対戦相手が投げた時よりも凶悪な音を立てながら飛んで行くベンチを、対戦相手はもう一つのベンチを盾にして止めようとするが、それを粉砕して最初の対戦相手と同じ運命に二人目の対戦相手を叩き込んだ。
準決勝進出。
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