下界狂騒曲

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これだけの戦力を投入しているのだ、相手のダンジョンはガラ空きに違いない。 何も分かっていない初心者がよくやる誤ちだ。 それに相手ダンジョンに送り込んだのは攻撃に特化した【アサルトゴブリン】に【斬り込みオーク】の混成部隊だ。 ここを凌ぎきればこちらの勝ちだ。 今頃あちらのダンジョンは侵略されて行く自分のダンジョンにパニックになっていることだろう。 「ムノ、お茶にしましょう?」 「お、いいね。」 「私が幽獄騎士に教わって作ってみたのだけど………どう?」 「美味しいよ。」 「そう!ふふ、良かったわ。」 「しかし暇だな。」 「相手が送り込んで来たモンスターは入って一歩目で苔に焼かれて全滅してしまったものね。」 「く、くそぉ!!」 最下層二十階層、そこを物言わぬ軍勢が進撃する。 近づけば細切れ、離れれば蜂の巣、ヘドヌスの迷宮最終防衛ラインのモンスター達は肉壁になることすら叶わず粉砕爆裂していく。 「まだか!まだ奴等のダンジョンは陥落しないのか!!」 彼は知らない、己の軍団が血液を沸騰させて全滅していることを。
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