捨てられて落ちて

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【原因模索、情報負荷に耐えきれず死亡したと推測。 尾てい骨骨折を確認。】 【死亡直後のため蘇生可能、蘇生開始。】 【蘇生状態で同期すれば再び負荷で死亡すると推定。】 【ムノ艦長の肉体改変開始。】 【オリハルコン骨格を精製、魔術臓器、ヒヒイロカネ合金筋肉を置換。 ミスリルナノチューブ血管を接続。 生殖器、神経、脳、皮膚、頭髪をムノ艦長の肉体から魔術強化し流用。】 【魔術脊髄装填、永久稼働心臓挿入。】 【蘇生、及び改変完了。】 【覚醒促進。】 「!!!っく!!がはぁあ!!?」 何かに無理やり叩き起こされたかのようにムノが飛び起きた。 「ぜ、全身が痛い。」 ムノは今、焼けるような激痛に全身満遍なく襲われていた。 だが、痛みは段々と引いていった。 「………筋肉痛?」 ムノは首をかしげながらも艦長席のディスプレイを操作して照明をつけ、暖房を起動し…… 「何で俺、操作方法が分かるんだ?」 それだけではない、旗艦ユグドラシルのことも、他の随伴艦の情報も、これが何時、何のために建造されたかも完璧に理解していた。 そして自分の体がどうなったかも。 「寝てる間に臨死体験して不死身の最強ボディを手に入れるとか……。」 心臓に悪い。 「あぁ、今の俺は破城鎚で潰されても無傷の心臓を持ってたんだっけか。」
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