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「……思ったよりも簡単に終わったな。」
「そうね、ティータイムも終わってないのに。」
ムノとミラは、相手ダンジョンがあまりに呆気なく攻略できたことに少なからず驚いていた。
と、そこで丁度攻略に行っていた幽獄騎士、金剛阿修羅、そしてゴーレム達が帰還する。
「お、ご苦労さん。」
「…………。」
幽獄騎士は一礼すると、さっさと操縦ルームから出て行ってしまった。
多分そろそろ時間なので棺桶の中に戻るのだろう。
一度ムノが棺桶の中を見ようとしたら幽獄騎士に割とマジで怒られたので(肉体言語)それ以来見ないようにしている。
「……あ、そうだ。」
「どうしたのムノ?」
「レオ見にいかないか?」
「そうね、私もちょっと気になるし。」
二人は再び下界へと降りたのだった。
「相変わらずうるさいくらい盛り上がってるな。」
「でも不愉快な騒がしさでもないわ。」
「そうだな。」
「時にムノ?こんな人混みでは私、貴方からはぐれてしまうかもしれないわ?」
意味深な視線でムノを見つめるミラ。
ムノは苦笑すると芝居がかった動作で膝をつき、ミラの手の甲にキスをする。
「麗しきお嬢さん、ここは僭越ながらワタクシめが貴女をエスコートさせていただきましょう。」
「あら、私のナイト様、お願いできるかしら?」
ムノとミラは腕を組んで人混みの中に消えて行った。
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