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「妻に近寄る蛆虫退治も夫の務めだよ。」
「ムノ……ふふ、愛してるわ。」
「俺もだ、時間食ったけどレオのところへ行こうか。」
「場所分かるの?」
「ユグドラシルで上から監視してた。」
「あら、うふふ。」
二人はユグドラシルが突き止めたレオの居場所、所謂スラムへと向かったのだった。
「今日が祭りで良かったな。」
ムノは追い剥ぎやら物乞いやらに囲まれると思っていたが、皆祭りの方へ【稼ぎ】に行っているようで特に絡まれる事なく目的地へと到着した。
「というか私の考えていたスラムと違うわね。」
二人はボロボロなスラムを想像していたのだが、目の前には年季が入ってはいるが、しっかりとした木造の家が詰め込まれるかのように密集していた。
長屋方式、とでもいうのだろうか。
「やっぱり国が栄えているからスラムも他よりもマシなのかもな。」
「そうかもね。」
二人はスラムを観察しながらレオの元へ歩いて行った。
「ここか。」
二人はとある長屋の前へ来ていた。
とりあえずここにレオがいるのは間違いないだろう、何故なら長屋の中からレオの慌てる声と女の子のはしゃぐ声、そしてどったんばったんと音がするから。
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