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「そうだな。」
自分にはミラさえいればいい、それだけで自分は満足だ。
「そろそろ夜も更ける、俺達はこの国を出てくよ。」
「そう、か……。」
夜明け前、祭りは最後の盛り上がりと言わんばかりに騒がしくなる。
「ふふ、頑張ってねティナ。」
「ハイですししょー!!ガバッとやって朝チュンですね!!」
ミラとティナは何やら妙な関係になっているようだ。
「レオ。」
「何だ?」
「式には呼んでくれよ?」
「はぁ?」
「今は知らなくていいさ。」
ここにまた来るのは案外すぐかもしれない。
ムノとミラは兄妹に別れを告げ、関所へと歩いて行ったのだった。
「絡まれてるな。」
「絡まれてるわね。」
所々屋台をしまい始めた大通り、ムノとミラの眼前には老人に絡む複数人のチンピラがいた。
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