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老人がにこやかにムノに話しかける。
「ひぇ、ひぇめえら!おれてゃちにてぇだひへおいふほ・ふぁひひーがだまっへるほおほうなよ!!」
一番最初にムノに顔面を殴られたチンピラが口からだばだば血を流しながらムノ達にそう叫ぶ。
「凄い量の血じゃのー、まさに血気盛んじゃな。」
だが老人はさして気にする事もなくチンピラを面白そうに見ている。
「護衛くらいはつけてくださいといつも言っているでしょう……
【ドン・オイスト】。」
「へぁ……?」
ポカンとするチンピラ、にこやかに笑う老人、ミラが買ってきた綿あめを食べるムノ。
そして数秒後、チンピラの顔が青、白、灰色になっていく。
「まっ、ままま、まひゃか!!?」
「ふぉふぉ、血気盛んなのも結構じゃが小遣いせびりはいただけないのぅ。」
「テメェら何処の支部だ……言え。」
笑う老人とチンピラの胸ぐらを掴み上げて脅しをかける傷の男、チンピラは既に泡を吹いて気絶していた。
それを見たムノが一言。
「爺さん凄い人なんだな。」
「テメェ……「まぁ待て。」……ハイ。」
詰め寄ろうとする男を制止する老人、彼はにこやかにムノを見つめると、
「ほいっ。」
びゅご!!
「!?」
ギリギリで避けたムノの鼻先を地面に落ちていたチンピラの歯がかする。
それを見て警戒色のミラ、だがそれよりもムノが驚いていた事は
(飛んで来るまで見えなかったぞ……!?)
ムノの動体視力を凌駕するほどのスピードとはこの老人一体何者なのか。
「ふむ、避けるとはのう。
どうじゃ若いの、ウチに入らんかね?」
「………は?」
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