0人が本棚に入れています
本棚に追加
私が、ここに来て何年経っただろうか…
ここに来たときは楽しかった
何一つ不自由なく、自然に囲まれた寝床
一日に何回か散歩に連れて行ってもらえて
昼は、遊んでもらえた
でも、ある時から…
私の飼い主が、ここに連れてきてくれた彼女が
少しずつ、散歩に行かなくなった
少しずつ、遊んでくれなくなった
少しずつ、寝床も汚れていった
そして…いつしか朝と夜に一回ずつのご飯
ただそれだけを待ち
縄でつながれ
縄の届くわずかな範囲を行ったり来たり
ただそれだけの毎日
いつしか、あんなにも美しかった
あの頃の思い出は廃れ
あんなにも美しかった
あの風景は、あの寝床は
絶望しか、映さなくなっていた…
私は死ぬまで、ここにいなければならないのだろうか
私は死ぬまで、この生き地獄を味わわなければならないのだろうか
最初のコメントを投稿しよう!